スプリング・エフェメラル。
春が来る前に、一足先に可憐な儚げな花を咲かせる植物たちです。他の植物たちよりいち早く芽生え、他の植物たちが生い茂るころには、来年までお休み。
いわゆる早春植物です。
今回はそんなスプリング・エフェメラルの一つである「カタクリ」の魅力を紹介したいと思います。
カタクリとは
科名:ユリ科
属名:カタクリ属
種名:カタクリ
学名:Erythronium japonicum
花期:3~5月
雪国に多く、林内に群生する多年草。実生から開花まで7-8年かかる。これが真正の片栗粉。(参照:野に咲く花)
淡紅色の花
カタクリの魅力は何といってもこの淡紅色の花にあります。花は1つの株に1つの花をつけます。(この時点ですでに魅力的なんですけど) その花は下向きに咲き、花弁が上方に強く反り返ります。そんな花に魅了され、やってくるのは人だけではなく、昆虫もやってきます。そんな上手い関係の話は今後していけたらと思いますが、写真を撮る方々は「カタクリとギフチョウ」のセットの写真をよく撮られています。
期間の短さ
「魅力じゃない」と思われるかもしれませんが、僕はこの地上に表れる姿の短さ、早春の僅かな期間に愛おしく感じます。カタクリは実生から開花まで7-8年かかります。毎年少しずつ養分を蓄積しながら、しだいに葉を大きくし、コツコツと貯めた栄養分で、ようやく花を咲かすことができるのです。実際に7-8年かけた一輪の花を見ると結構感動すると思います。
実は食べられる
実はカタクリ、片栗粉なんです。僕たちが食べている片栗粉はニセモノで(ニセモノということはないですが)今食べている片栗粉の多くはジャガイモから抽出したものなんです。ですが、最近では採取禁止の場所が多いです。基本的に植物は、持ち帰ったり採取したりしてはいけません。
いかがでしたか。
特に若い世代の方々は、「カタクリを見に行こう」「春植物を見に行こう」とはなかなか機会がないかもしれません。でも、世代関係なく僕たちは「お花見」が好きですよね?「お酒が飲めるから」という人ももちろんいると思いますが、花を見ながら外での食事は、意外とみんな好きなんじゃないかと思っています。
カタクリの魅力とは関係ないですが、自然環境調査する際には、季節を区切って調査します。植物で言えば、春、夏、秋と区切って調査をしますが、まれに「早春」の時期も調査対象とすることがあります。早春に出てくる植物が重要な、大事な植物を見落とさないようにするためです。(すっごい簡単に書きました)
まだまだ文章足らずで、魅力が伝えきれておらず、手直しが必要なブログですが、このブログをみて「早春植物に興味がわいた」「カタクリを見に行ってみよう」と思っていただければ幸いです。魅力は伝えつつも、植物は見るもの、観察するもの、写真を撮るものにとどめてもらえればと思います。
たんなん